この論文は、転職やキャリアチェンジに関する悩みには“特効薬”が存在しないことを出発点としながら、科学的な自己診断を通じて、自分にとって適切なキャリアを見出す方法を提案している。
キャリアの問題には「一発で効く特効薬」は存在しない。だからこそ、自分の価値観や動機、優先順位を深く理解することが、より納得のいくキャリア選択への第一歩になる。「自己診断」と「現実との擦り合わせ」が、キャリアを前進させる鍵である。
背景:多くの人がキャリアに悩んでいる
- 世界的に多くの人が転職やキャリアチェンジを検討している(40%以上が転職を考え、20%が実際に退職)。
- 職場への不満や上司への幻滅、AIによる職業変化など、キャリアに対する不安が高まっている。
- にもかかわらず、キャリアに関する「簡単な解決策」は存在しない。
提案:自己診断によってキャリアの方向性を明確にする
1. 価値観や優先事項の明確化
- 自分にとって「譲れない価値」は何か?(例:安定性、柔軟性、ワークライフバランス)
- ネガティブな選択肢(例:ストレスが多い、社会的に不名誉な仕事)を通じて優先順位を考える。
2. 金銭面の重要性
- 給与はどの程度重要か?どこまで妥協できるか?
- 高い報酬は必ずしも仕事満足度に直結しないことも多い。
3. モチベーションの源泉
- 何が自分を仕事に駆り立てるのか?(例:権力、影響力、学習機会、仲間とのつながり)
- ロールモデルを思い浮かべて、自分の価値観を探る方法も有効。
4. 仕事に求める自由度
- 自主性・裁量権の重要度はどのくらいか?
- 「自由」は責任やプレッシャーも伴うため、自由度が高い職場が必ずしも向いているとは限らない。
5. 内発的動機づけの必要性
- 自分は仕事に「やりがい」や「使命感」をどの程度求めるのか?
- 仕事を生活の糧と割り切る人もいてよい。その誠実な自己理解が選択肢を広げる。
詳細は下記参照。定期購読登録が必要です。
“6 Questions to Help You Decide What You Want in Your Next Job,” HBR.org, February 25, 2025.