「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」

「論理>直感」「理性>感性」といった偏重は同じ情報を入力すれば同じ結論が出るため、差別化が困難となり競争が激しいレッドオーシャンでの戦いを強いられ、スピードとコスト勝負のサイエンス重視型の競争をしてきたのが日本のビジネス。VUCAの現代においては論理的・理性的な情報処理には限界が来ており、自己実現欲求を満たす世界市場や急速に変化するシステム(実定法主義と自然法主義)に対応するには、直観的と感性といった主観的な物差しである「美意識(アート)を磨くこと」が重要である、と説く。経営における意思決定の質は、「アート」「クラフト」「サイエンス」のバランスとその組み合わせ方に左右されること、特にアートの重要性を具体的な企業例をもって説明している。美意識を磨くにはセルフアウェアネスを高めること、哲学・文学を学ぶこと、としている。日本人の特有の美意識は世界に誇れるもの、故に日本ビジネス復活は間違いない。2017年7月発行、山口周著、257ページ。

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