現代のビジネスリーダーは、リモートワークやハイブリッド勤務の普及により、従業員同士の協働を促進することの難しさを感じている。特に知識集約型産業では専門知識の分散が進んでおり、社内のネットワークの強化が不可欠である。この課題に対して、オフィス勤務の義務化に代わる手段として「オフサイトミーティング」が注目されている。
オフサイトの意義と効果
- 地理的に離れた従業員を一堂に集め、複数日にわたり交流する機会を提供し社内の人的ネットワークを活性化できる。
- 縦割りの組織構造を超えた信頼関係の構築を促し業務効率を高める。
- 知識共有と協働の促進により個人と企業全体のパフォーマンス向上に寄与する。
研究結果の概要 筆者らの研究では、ある大手企業の8年間のオフサイトデータと従業員750人以上の業務記録(35万件以上)を分析した結果、以下の成果が確認された:
- オフサイト参加者は社内協働の機会が24%増加し、特に入社5年未満の従業員に顕著な効果が見られた。
- 部署を超えたコラボレーションが活性化し、売上の増加につながった。
- オフサイトの効果は参加者以外にも波及し、社内の協働文化が全体的に向上した。
投資利益率(ROI)
- オフサイト開催後2カ月以内に、新たな協働によって1件あたり18万ドル以上の売上が発生。
- 形成された人的ネットワークの17%が2年後も維持され、継続的な利益をもたらしている。
効果を最大化する方法
- 参加者の多様性を確保し、部署間の交流を促す。
- 目的を明確にし、信頼関係の構築を重視する。
- フォローアップ活動を行い、オフサイトの成果を業務に活かす。
結論 オフサイトミーティングは、従業員同士の信頼関係を深め、社内ネットワークを強化し、業績向上に寄与する有力な手段である。適切に設計・実施することで、企業にとって大きな価値を生み出すことができる。
詳細は下記参照。定期購読登録が必要です。
“Why Offsites Work – and How to Get the Most Out of Them,” HBR.org, October 24, 2024.