2024年は企業のサステナビリティにとって厳しい年となった。特に米国では社会的目標や気候変動対策から撤退する企業が現れた。気候変動、生物多様性の損失、不平等の3つの課題が悪化し気候変動に対する反発や社会的不平等の拡大が進んだ。トランプ政権がサステナビリティ政策の撤回を宣言、企業の取り組みに一層の逆風が吹いている。
1. 政治的混乱による影響
2024年には多くの国で国政選挙が行われ、極右ポピュリスト政党の躍進により気候変動対策や社会的持続可能性への取り組みが後退した。
2. 企業のサステナビリティ撤退
反ESG運動の影響を受け、一部企業は多様性や気候変動目標の縮小・撤回を表明。特に小売大手や製造業の企業が目立ち、サステナビリティ活動の公表を控える「グリーンハッシング」も増加した。しかし、ブラックロックなど一部の投資家は依然としてESG投資を維持している。
3. 報告義務の負担
EUの「企業サステナビリティ報告指令(CSRD)」により、多くの企業が新たな報告義務に直面し対応に苦慮している。短期的には業務負担が増すが長期的には透明性の向上が期待される。
その他のトピック
- クリーン経済の進展: 石炭依存の低減やクリーンエネルギー投資の増加が見られた。
- AIの成長とエネルギー問題: AI技術の急成長が電力消費を増大させ脱炭素化の障害となる懸念がある。
企業は短期的なリスク回避のために消極的な戦略を取る傾向にあるが、持続可能な成長のためにはより積極的な取り組みと協働が求められている。
詳細は下記参照。定期購読登録が必要です。
“2024 Was a Bad Year for Sustainability,” HBR.org, December 20, 2024.