HBR Article:戦略「経営システムを構成する14のプロセスとは」

本論文では、企業の業種や規模を問わず適用可能な基本的な経営プロセスと事業成功の指標について論じている。

企業の成功には経営の基本プロセスを忠実に実行しシステム化することが重要である。基本の実践が業績向上につながり事業の成長と持続性を確保する鍵となる。

1. 経営システムを構成する14のプロセス

企業経営は、以下の14の基本プロセスを組み合わせることで成り立つとされる。

  1. 経営理念の確立 – 企業の価値観や姿勢を定め、組織の指針とする。
  2. 経営目標の設定 – 企業や事業部が何を目指すのかを明確にする。
  3. 到達目標の設定 – 具体的な数値目標を設定し、戦略・計画を策定する。
  4. 戦略の立案 – 競争に勝つためのアイデアを計画としてまとめる。
  5. 行動方針の策定 – 戦略を実行する際の具体的な行動指針を決定する。
  6. 基準の設定 – 業務遂行の評価基準を明確にする。
  7. 手順の制定 – 重要な業務や繰り返し行う作業の進め方を決定する。
  8. 組織計画の立案 – 組織構造を設計し、社員の力を統合する。
  9. 人材配置 – 人材の確保・養成を行い、組織のポストを適切に埋める。
  10. 事業計画・業務計画の策定 – 経営資源の配分を決め、業務の具体的な進め方を明確にする。
  11. 施設設備の準備 – 必要な工場・設備を用意する。
  12. 資金の手配 – 設備投資や運営資金を確保する。
  13. 情報提供 – 社員に事業環境や業績に関する情報を適切に共有する。
  14. 社員の行動促進 – 経営理念に基づき、計画通りに行動を促す。

経営幹部の役割は、これらのプロセスを統合し、自社に最適な経営システムとして確立することである。

2. 経営の基本の重要性

企業経営において基本に忠実であることが成功の鍵である。1964年のNFL決勝戦でクリーブランド・ブラウンズが基本に立ち返ることで圧勝した例やGM会長フレデリック・G・ドナーが「基本の実践こそ成功の鍵」と述べた事例を引用しシステム化された経営の重要性が強調されている。

3. 事業の成功を測る指標

事業の成功を評価するために次の3つの基準が提案されている。

  1. 売上高と市場シェアの拡大 – 競争優位を示す重要な指標。
  2. 長期的な投資利益率 – 株主や従業員、社会経済に対する利益を反映する。
  3. 経営の継続性 – 優れた経営者を継続的に輩出できる企業が成功企業といえる。

その他、製品ラインナップ、社員の能力、社会的評判なども評価基準になり得るが、上記3つの基準を満たす企業は、自然と他の基準もクリアする傾向にある。

4. 成功企業の特徴

成功企業は柔軟性を持ち事業環境の変化に迅速に対応し、最新の経営手法や技術をバランスよく取り入れる能力を備えている。適切な経営システムが確立されていれば、無闇に新しい手法に飛びつくのではなく必要な変革を的確に実施できる。

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