HBR Article:組織文化・組織開発「職務を固定せず柔軟にタスクを割り当てる、新しい働き方の可能性」

ジョブ・デコンストラクションは、企業の柔軟性と生産性を高める可能性を持つが、導入には慎重な管理が求められる。組織は、従業員の自律性を尊重しながら帰属意識や安定性も確保する仕組みを構築する必要がある。

1. 概要

従来の職務固定型の仕事の重要性が薄れ、企業はより柔軟な働き方へ移行しつつある。この変化を象徴するのが、「ジョブ・デコンストラクション」(仕事の再構築)であり、従業員のスキルとタスクを動的にマッチングさせる組織運営のアプローチである。

2. ジョブ・デコンストラクションのアプローチ

  • 急進的モデル(例:ザッポス)
    • 役職や職層を完全撤廃し、従業員が流動的に役割を担う。
  • ハイブリッドモデル(例:ユニリーバの「Uワーク」)
    • 正社員の福利厚生を維持しつつ、プロジェクト単位で仕事を担当。
  • 補完的モデル(例:DBS銀行、シュナイダーエレクトリック、米連邦政府)
    • 既存の職務に加え、副プロジェクトへの参画機会を提供。

3. 再構築された仕事における課題

筆者らの研究によると、ジョブ・デコンストラクションには以下の3つの緊張関係が存在する。

  1. 自律性と統制のバランス
    • 従業員の主体性が高まる一方で、マネジャーの権限が脅かされる。
    • 人事考課に影響し、実質的に昇進の条件となるケースもある。
  2. 組織構造からの切り離しと帰属のバランス
    • 他部門へ流動的に移動する従業員が「部外者」と見なされやすい。
    • 貢献が正当に評価されないリスクがある。
  3. 成長と安定のバランス
    • 自信のある人は積極的にチャンスを活かすが、不安を感じる人は変化を避ける傾向がある。
    • 2つの労働市場(積極派 vs. 安定志向派)が生まれ、機会格差が広がる可能性。

4. 課題への対応策(ガードレール)

  • マネジャーによる過剰な支配を防ぐ
    • 組織が従業員の自律性を守る仕組みを設ける。
  • 流動性の確保と帰属意識の両立
    • 組織文化として横断的な仕事を正当に評価する。
  • 安定と成長のバランス調整
    • キャリア支援策を整え、成長機会を公平に提供。

詳細は下記参照。定期購読登録が必要です。

関連記事

カテゴリー
アーカイブ