HBR Article:マーケティング「売上げを左右する「説得力あるレビュー」の条件」

オンラインレビューはEコマースの成功に不可欠な要素である。レビューの説得力は文言の選び方と文脈(商品特性)に左右されるため、戦略的な活用が求められる。

背景と目的

  • オンラインレビューは、消費者の購入意思決定に大きな影響を与える。特に「商品説明」よりも「レビュー」を重視する傾向が強く、約98%の消費者が購入前にレビューを参考にしている。
  • 本研究の目的は「なぜあるレビューは他のレビューより説得力があるのか?」という疑問を明らかにすること。特に「この商品をおすすめします」と「また買います」のどちらが説得力があるのか、製品のタイプや購入頻度によって効果は変わるのか、を検証している。

研究方法

  • 約11万件のYelpレビューを分析。
  • 2,000人以上を対象に、ホテル、ワイン、レストラン、歯科治療などについて7つの実験を実施。

主な発見

  1. ロイヤルティエクスプレッション(忠誠心の表現)を含むレビュー(再購入意向や推奨)は、含まないレビューよりも「役に立った」と評価されやすい。
  2. 「再購入意向」は最も説得力が高いと評価されたが、それは商品の購入頻度によって変化する。
    • 購入頻度が高い商品(例:ワイン、歯のクリーニング)では、「また買いたい(再購入意向)」が最も信頼でき説得力がある。
    • 購入頻度が低い商品(例:歯の被せ物)では、「おすすめします」の方が説得力が高い。
  3. 消費者は、そのレビューが信頼できるかどうかを重視しており、信頼性が高いほど購買意欲が強くなる傾向がある。

実務への示唆

  • 小売業者は、レビューをハイライト表示する際に、商品の購入頻度を考慮して適切な表現を選ぶべき。
  • 頻繁に購入される商品では「再購入意向」の表現を、稀に購入される商品では「推薦」の表現を重視することでレビューの説得力が最大化される。

研究の限界と今後の課題

  • 今回は「再購入意向」と「推薦」に絞ったが、今後は「生活が良くなった」など他のポジティブ表現や「二度と買わない」などネガティブ表現の影響も検証すべき。
  • 信頼性と説得力の関係には例外がある可能性がありさらに詳細な検討が必要。

詳細は下記参照。定期購読登録が必要です。

関連記事

カテゴリー
アーカイブ