リーダーのユーモアが職場でどのように受け取られるか、特に権力格差を受け入れている従業員(=ヒエラルキーを重視する人)に対してどのような影響を与えるかを検証した論文。おやじギャグの連発は御法度、程度をわきまえて、とのこと。
主な調査内容
① 実地実験(中国)
- 対象:88組のマネジャーと従業員
- 方法:マネジャーにユーモア使用の有無を指導し、1週間後に従業員の反応を調査
- 結果:
- ユーモアを使ったマネジャーの部下は**表層演技(本心ではない笑顔)**が増加
- それにより感情的疲労が増し、仕事満足度が低下
- この傾向は、権力差を当然と受け入れる従業員で特に顕著
② 室内実験(米国)
- 対象:ビジネススクールの学生212人
- 方法:リーダー役の俳優がユーモアの量(多/少)・権威的な態度(あり/なし)を使い分けて実験
- 結果:
- 権威的なリーダーの冗談に対して、参加者は義務的に笑い、感情的疲労が高まった
- 親しみやすいリーダーのユーモアは、ポジティブな受け止め方をされやすかった
結論と示唆
- リーダーのユーモアは必ずしも良い効果を生むわけではない。
- 特に権力差を重視する文化や従業員にとっては、笑いが「義務」となり、ストレス要因に。
- ユーモアは回数ではなく、質とタイミングが重要。
- リーダーはユーモアを強制的な空気にしないことが大切。
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“Research: When Laughing Becomes Labor,” HBR.org, March 07, 2025.