仕事で困難に直面した従業員へのサポートは、必ずしも同じ経験を持つ同僚から受けることが最善とは限らない。当該筆者らの研究は、こうした状況でのサポート方法や組織的アプローチを見直すべき重要なポイントを明らかにしている。従業員が仕事をつながりや帰属意識を得る場と考える中で、職場が彼らをサポートする役割を果たすことは不可欠である。リーダーがサポートの方法を改善するだけで、より思いやりのある組織文化を育むことができる。
研究の主張
- 同じ経験を持つ同僚への依存の問題
- 同じ経験を持つ人は共感できると考えられがちだが、実際には自分中心の対応になりがちで相手の苦しみに寄り添えないことが多い。
- 一方で、異なる経験を持つ人は相手を中心に置き、具体的で役立つサポートを提供しやすい。
- 組織的な影響
- 思いやりあるサポートを行うことで欠勤率や離職率の低下、従業員満足度の向上、組織の適応力や創造性の強化など、多くのメリットが得られる。
推奨される4つの戦略
- 苦しんでいる人を中心に据える
- 自分の経験を話すのではなく、相手の話を引き出すことで具体的な状況を深く理解する。
- 相手の痛みを認める
- 苦しんでいる人の経験の深刻さを軽視せず、その気持ちが理にかなっていると認めることで安心感を与える。
- 質問を活用する
- 問題解決を急がず、従業員が抱える具体的な問題やニーズに耳を傾けてどうサポートできるかを尋ねる。
- 最適な支援者を見極める
- 同じ経験を持つ人だけではなく、異なる視点を持つ人や社内リソースを活用して適切なサポート体制を構築する。
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“How to Support an Employee in Distress,” HBR.org, September 5, 2024.