少子高齢化が進行する日本社会において、2040年には現役世代が現在の8割にまで減少し約1,200万人の労働力が不足すると予測される状況を背景に、各地の現場を取材し社会サービスの担い手が減少する中での課題と打開策を探っている。
以下の3部構成となっており、多和田葉子氏、小熊英二氏、安宅和人氏、増田寛也氏などの識者インタビューも収録、超人口減少社会に向き合うための多角的な視点が提供されている。
- 第1部 現場から:各地の現場を取材し、労働力不足やインフラの老朽化に直面する社会の実態を描写。
- 第2部 ともに支える:若い世代やロスジェネ世代の女性など、多様な視点から社会を支える取り組みや課題を考察。
- 第3部 能登半島地震―震災からみえたもの:震災を通じて浮かび上がった過疎地域の現実や防災・復興の課題を抽出。
本書は、朝日新聞で大きな反響を呼んだ連載をベースにしており、現状打破に奮闘する人々の姿を描くことで迫り来る課題にどう立ち向かうかを考える一助といえる。2024年9月発行、朝日新聞出版、272ページ。