本論文は、成功するはずの実業家がなぜ経営から脱落してしまうのかを考察し、「経営の意思」の重要性を強調している。
歴史に名を残すはずの実業家が脱落する理由は、単なる成功願望だけではなく企業を経営しようとする意思が欠けているためである。経営の意思を持つことで、企業は主体的に成長し持続的な成功を収めることができる。
1. 経営の意思の欠如とその影響
投資銀行の幹部たちは目の前の業務に追われ、経営を考える余裕がないと回答している。彼らは経営をバックオフィスの業務のように捉え、経営者としての視点を持たないことが多い。その結果、会社の方向性が変わっても気づかず長期的な成長戦略を描くことができなくなる。
2. 証券会社との対比
一方で、証券会社は企業規模が大きく経営に対する意識が高い。倒産や合併を経験したことから企業の持続的成功には「経営の仕組み」が不可欠であると認識している。
3. GMの事例：創業者と経営者の違い
ゼネラルモーターズ（GM）の創業者デュラントは優れた実業家であったが、長期的な経営をする意思を持たずGMを率い続けることができなかった。その後、スローンが経営の意思を持ちGMを成功に導いた。
4. 経営の意思があることで道が開ける
経営とは、「組織の目標を定め、人材や資源をその達成へ導くこと」と定義される。成長企業のCEOは事業の拡大に任せるのではなく、自らの手で統制しようと決意している。
5. 企業経営の失敗例
ある中西部の企業のCEOは成功を強く望み精力的に働いたが、経営の仕組みを整える意思がなかった。部下はCEOの指示を待つだけの状態になり戦略の欠如が成長の足かせとなった。もしこのCEOが「経営こそ自分の仕事」と考えていればより大きな成功を収めた可能性が高い。
6. 経営の意思と成功の違い
成功を目指すだけでは十分ではなく企業の長期的成長には「経営の意思」が不可欠である。経営の意思があれば仕組みを作り活用し、企業を主体的に発展させることができる。
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