本論文は、企業が新規プロジェクトを選択する際の最適な手法について様々な意思決定プロセスを比較・分析した研究である。特に、投票、スコアリング、ランキングなどの手法をシミュレートしそれぞれの有効性を検証している。
企業が新規プロジェクトを選択する際には、ランキング手法が最も効果的である。特に、選択肢が多く予算や専門性に制約がある場合、委員会によるランキングが最適な意思決定手法となる、としている。
主要な発見
- ランキングが最も効果的
- 委員会メンバーがプロジェクトを好ましい順に並べ、その結果を集計する手法が平均で10~20%高いパフォーマンスを示した。
- 投票やスコアリングと比べて意思決定の一貫性が高まり、専門性を適切に反映しやすい。
- 意思決定の方法
- 経営者が単独で決定:特定の専門知識に基づく選択は既存のプロジェクトには有効だが、革新的なプロジェクトには不向き。
- 投票:大人数の意思決定には適しているが少人数では有効性が低い。均衡した評価を得にくく同点処理の問題が発生しやすい。
- スコアリング:同じ分野で比較可能なプロジェクトには有効だが多様な案件が含まれる場合は適さない。
- ランキングの優位性
- 予算制約がある状況で最適なプロジェクトを選ぶ確率が最も高い。
- 異なる分野のプロジェクトでも一貫した評価がしやすい。
- スコアリングよりも商業的機会を正確に評価でき、投票よりも識別力が高い。
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“How to Decide Which Innovation Projects to Greenlight,” HBR.org, December 02, 2024.